• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第29章 罠




私は常にハルの側にいた。

寝る間も惜しんで付き添い、くまなくその病状を観察した。

だけど、その原因と思わしきものを特定できずにいた。



3日が過ぎた頃、ハルが私に尋ねた。



「お嬢様………?」

「なに?どうしたの?」

「調査兵団に、戻らなくてよろしいのですか。」

「―――――ハルをこのまま置いて、戻れない。せめて治療法を見つけて、治癒の目途が立ってからでないと。」

「私の事は―――――――。」

「良くない!!!!」



ハルの言葉を遮るようにして、叫んだ。



「良くない、絶対に失わない……!ハルは私の家族でしょう?!お願いだから、頼って……!生きたい、助けてって、言って………!!」



横たわるハルに縋りつくように泣いた。ハルは、相変わらず優しい手で私の髪を撫でた。



「―――――これは、罪を犯した罰なのです………。償うしか、ない………。」



ハルの消え入りそうな声を、私は聞き逃さなかった。

ハッと顔を上げてその真意を問うも、ハルはただ憂いを含んだ微笑みで返すだけだった。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp