第27章 海容 ※
ナナは震える指先を、覆いかぶさる俺の頬から後頭部へ滑らせた。
「リ、ヴァイさ………っ……あぁっ……いい……リぁ、イ、さ……っ……!」
「………とことん煽るな、お前は……っ……!」
「あい、し……てる……リ、ヴァイさ………、ずっと、私のことも……愛して、ね……。」
「………今更だろ………。」
8年前から―――――――お前が俺を必要だと言った、お前が俺に生きる意味を与えた時から、ずっと俺はお前のものだ。今までもこれからも、変わるわけがない。
お前は気付いてないが、俺のお前への想いと、お前が俺に向ける想いは少し違う。
―――――だから怖い。お前の心は、変わっても不思議じゃない――――――お前の想いが変わった時に、俺はちゃんと手放せるのか。
アウラのように嫉妬に狂うのは、今度は俺じゃねぇのか。
俺はそんなに不安げな顔をしていたのか、ナナが俺の顔を引き寄せ、唇を寄せる。ナナが甘く俺の舌を絡めとり、深く繋がる。
先ほどまでの暴力的な性行為が嘘のように、お互いを確かめ合いながら何度も身体を重ねた。