第27章 海容 ※
「……また怪我してるな。」
「あぁ、怪我というほどでも………。それに、今日は生まれて初めて人を殴り返しましたよ。貴重な体験でした。」
私はなんでもないことだと笑って見せる。
「俺のせいだ。」
「――――そうですね。」
「…………。」
「罪な人です、リヴァイさんは。たくさんの人を魅了してしまうから。そんなリヴァイさんを独り占めしている私はとってもとっても幸運なので……少しの罰くらい、なんでもないです。」
リヴァイさんの目はずっと伏せられたまま、まるで叱られた子供のようだった。
「ねぇリヴァイさん、キス……してもいいですか………?」
「ダメだ。」
「えっ。」
まさか断られるとは思っていなかった私は、微妙にショックを受けた。
「………止められなくなる。何事もなかったようにお前を抱くのは、俺が俺を赦せない。」
「じゃあ……私のこの、リヴァイさんに触れたい欲求は、どうすればいいですか………。」
「…………。」
「ではキスは諦めるので………触れることは、許してください……。」
私はリヴァイさんの手を引きソファに座ると、リヴァイさんの服をぐいぐいと引っ張り、そのまま自分の太ももにリヴァイさんの頭を置いた。
「………なんだこれは。」
「膝枕です。初めてですか?」