第27章 海容 ※
時計の針が0時を回った。
今日は調整日だ。
そろりと自室を抜け出し、リヴァイさんの部屋を訪ねる。微かな音でノックをすると、少し時間を置いて扉が開いた。
どうしよう、もしかして眠っていたのだろうか……起こしてしまったなら悪いことをした。扉の隙間から見えたリヴァイさんの表情は、なにやら浮かない顔だ。
「……ごめんなさい……眠ってましたか。」
「いや………。」
リヴァイさんはそれ以上何も言わず、扉を開けて部屋に入ることを許してくれた。執務用の机のグラスには、琥珀色の液体が注がれている。
「………今日、アウラになにかされたのか。」
急な問いに、少し驚く。
「あ、はい………でも―――――――。」
息が止まるかと思ったほど、強く抱きしめられていた。
リヴァイさんが、なにか変だ…――――――あぁそうか。アウラさんが私にしたことが、自分のせいだと思っているのか。
「リヴァ、さ……苦し……です……。」
「…………。」
リヴァイさんは依然として元気がないまま、少し腕を緩めてくれた。
「どうしたんですか?元気がないように見えます。」
リヴァイさんの頬に手を添えて、目を見つめて問う。逸らされていた目が一瞬合って、同じように私の頬に手が触れた。