第26章 落着
アウラの要望……?
抱き合ってセックスがしたい、キスがしたい、俺の気持ちが欲しい……とか言っていたな。それを叶えろと?
「―――――断る。応えられねぇ、どれも。」
「そんなに無理難題だったのか?」
「抱き合ってセックスがしたい、キスがしたい、俺の気持ちが欲しい……とかだな。」
「………最後は置いておいたとしても、それ以外は叶えてやればいいものを。なにをそんなに操を立ててるんだ。……まるで処女のようだな。」
エルヴィンがふふ、と薄く笑う様子に苛立つ。
「――――――一度ナナを抱くと、他の女とヤるなんて考えられねぇ。ただ、それだけだ。―――――あぁ残念、てめぇにはわからねぇか――――――。」
目を細めてエルヴィンを煽る。
「………そうか、それは―――――実に楽しみだ。」
あくまで宣戦布告の姿勢は崩さないということか。
「お前のその自分勝手な理由を貫いて、アウラの罠でナナに何事も、ないといいがな?」
「…………。」
「私なら、気持ちが無くても―――――抱きたくなくても、抱く。耳元で愛してたと囁いて………願望を満たせば、綺麗にさよならだ。ナナに危害を与えないためなら、それくらいのことは何でもないが。お前は、違うんだな。」
「………お前みたいな色魔の二枚舌と一緒にすんじゃねぇよ。」