第26章 落着

「ナナ、アウラと関わりあいがあるの？」

「……はい、一度手当をしていたときに、リヴァイ兵士長のことで意味ありげな質問を受けたことがあります。」

「リヴァイ絡みか。……罪な男だなぁ、あいつは。」



ハンジさんが大きなため息をつきながら、天を仰いだ。



「………ここからは私の憶測ですが、アウラさんからは相当な負の感情が感じ取れました。もしダンをそそのかしてナナさんを貶めようとして失敗し、再度なにか企むもダンに拒否をされたのでしょう。だとしたら――――――。」

「―――――おそらく、意地になってより確実な手段をとる、だろうね。」

「………はい、十分注意します。」

「エルヴィンに報告はするの？」

「………心当たりが出て来たら報告するようにとのことでしたので、お耳には入れておきます。」

「そうか、それがいい。……そういえばダンは事件の翌日にエルヴィンが話をつけているんだよね？ダンがアウラの再度の誘いに乗らなかったってことは、エルヴィンの牽制がかかってるな、きっと。ダンもバカじゃない。ナナにしばらくは手を出さないよ。アウラの行動に気を付けておいた方がいいね……私も気を付けておこう。モブリットは引き続きダンを監視してくれ。」

「はい。」

「お手数とご迷惑をおかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します…。」



私は二人に深々と頭を下げた。