第25章 悪巧
「………ごめんなさい………、私の、せいで………。」
「いやいい。気にするな。君が無事で良かった。」
ナナは申し訳なさから目も合わせられないといった様子で、目線を落としたまま肩をすくめた。
私は自分のクローゼットからシャツを取り出すと、ナナの肩に羽織らせる。
「……目のやり場に困る。シャツを貸すから、着替えておいで。」
自室の鍵をあけ、着替えを促す。ナナは静かに頷き、少し震える足でなんとか立ち上がり、私の自室に足を踏み入れてパタンと扉を閉めた。
壊れた窓枠と飛び散った破片を簡単に集め、何が起こったのか、持ちえる情報を繋いで推測していく。
そうしていると、しばらくして静かに自室の扉が開いた。
ナナの身体にそぐわない私のシャツは、まるでワンピースかのようにすっぽりとナナを包んでいた。