• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第25章 悪巧




私はその夜にエミリーを連れて兵舎の屋上に出た。
私がいつもハンジさんに話を聞いてもらっているこの場所は、星がよく見えて好きだ。

少しひんやりとしたその場所に座り、となりをぽんぽんと叩いてエミリーを誘う。エミリーは私の誘った通りに隣に腰を下ろした。


「もうすっかり、夜でも寒くなくなったね。」

「はい。」

「……エミリーは、家族はいるの?」

「……はい。王都で……小さな花屋をやっています。」

「兄弟は?」

「弟が一人。歳が離れているので、まだ8歳なんです。……生意気ですが、可愛いです。」


ようやくエミリーがふふ、と少し微笑んだ。


「ナナさんは………。」

「ん?」

「リヴァイ兵長と、お付き合いをされているんですよね?」

「うーん……お付き合いというのが私はよくわからないんだけど………私はリヴァイ兵士長を愛していて、うん……彼にも、愛されている、かな。」


私は自分の口にしたことがとても恥ずかしくなって、膝を抱えて少し顔を隠した。


「素敵……ですね……。」


エミリーははぁっとため息をついて、夜空を見上げた。


「……エミリーも、好きな人が、いるの?」


私の問に、エミリーの顔が熱を持った。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp