第25章 悪巧
その日の訓練の休憩中、私は誕生日の贈り物に貰った紅茶のお礼を改めて言うため、オルオに声をかけた。
誕生日の次の日に小箱を落としていったことを尋ねると、顔を赤らめてわたわたとしながらも自分からの贈り物だと明かしてくれた。中身は紅茶で、とても甘いフレーバーの美味しい紅茶だった。
「オルオ!」
「あっ、はい…っ……なんすか、ナナさん。」
「紅茶、頂いたよ。本当に美味しかった!!ありがとう。」
「あぁ、それは……良かったです……。」
お礼を伝えると、少し嬉しそうにはにかみながらも何か問いたげな表情を見せた。
私はそのことについて触れてみる。
「……どうかした?」
「……いえ、あの……。」
「??」
「りっ、リヴァイ兵長も紅茶が好きだって聞いたんですけど、よく一緒に飲んだり、するんですか……?」
「あぁ、確かに紅茶が好きだね、リヴァイ兵士長。団長補佐の前は兵士長補佐をしていたから、その時は執務の合間に一緒によく飲んだな。」
「え、そうなんですか。」
「うん。」
オルオと他にも他愛無い話をした。
それからの訓練中も見ていてわかるように、オルオは立体機動も斬撃もバランスよくこなす。上官たちも一目置いているようだ。この人もまた、調査兵団を担う翼になっていくのだろうとその訓練の様子を見て想いを馳せた。