第24章 誕生日
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「―――――――リンファ?」
部屋の外で物音がした。確かめに行ったが、そこには誰もいなかった。足元に、リボンのついた小さな小箱が落ちている。
「………?」
「ナナ、どうしたの?」
リンファが帰ってきた。
「ん、なんか物音がして……これ、落ちてた。」
「――――――あぁ。オルオじゃねえかな。さっきすごい勢いで走ってったから。」
「そうなんだ。声、かけてくれたらよかったのにね。」
「ま、明日にでも聞いてみなよ。」
「うん。」
「―――――それで、早く行ってあげなくていいの?」
「どこに?」
「兵長のとこ。………言う事、あるだろ?」
リンファがふふっと笑う。
「――――うん!!!」
「だけど、日が変わらない間に帰ってよね。私もまだあんたに用があるんだから。」
「わかった!」
私は足早にリヴァイさんの部屋に向かった。
嬉しかったこの気持ちを、話したい。
ありがとうって、言いたい。
私は廊下を駆けていた。
リヴァイさんの部屋の前に来たとき、リヴァイさんの部屋から誰か出てきた。あれは――――――
「ナターシャ?」
「………お疲れさまです。」
エミリーと同室で、医療班にも組しているナターシャだ。彼女は私をチラッと見て、その横を通り過ぎて行った。
なにか、用があったのか……リヴァイさんの部屋からエルヴィン団長やハンジさん、ミケさん以外の人が出て来ることが珍しく、思わずナターシャを目で追ってしまった。
はっとした私は、リヴァイさんの部屋をノックする。