第24章 誕生日
「――――――さ、そろそろお開きにしようか!」
部屋を手分けして片付け、名残惜しくもその温かい時間が終わる。
「みなさん、本当に………私は幸せです。こんな誕生日………一生、忘れられないです。」
大きく頭を下げると、また口々にその先を紡いでくれる。
「一生とか大げさだな。これから毎年祝ってやるよ!」
「そうだ。毎年このケーキの絵を一枚ずつ増やしていけばいい。」
「こちらこそ、ナナの誕生日を祝えて嬉しかったよ。」
「改めておめでとう、ナナ!」
みんなが部屋を出て、私はその余韻に浸る。
「あ、あたしちょっと食堂に食器返してくるから!」
「手伝うよ。」
「いやいいよ。主役はもう少しそこで浸ってな。」
リンファは手早く食器を集めて部屋を出た。
私は、改めて胸に抱いたケーキの絵を広げて、眺めた。
なんて嬉しい気持ち。
ねぇ、これをどんな顔で描いたんですか?そう心の中で問いかけながら、込み上げる笑みを押さえられないでいた。