第24章 誕生日
「ま、お嬢様だからなナナは。正直、ちっぽけな会だと思うかもしれないけど、許してよ。」
リンファが私の頭を撫でる。私の目から、大粒の涙がぼろぼろと零れた。
「えっ?!?!?!」
「何?!?!え、リンファなにしたんだよ!!!」
「なんもしてねぇよ!!!!えぇっ?!どうしたナナ!!!」
「女神…………。」
「睫毛でも入ったんじゃないか。」
「どうしたのナナ!!」
みんなが私を囲む。
「ご、ごめんなさ……っ、こんな、お祝い………っ、して、もらったこと、なくて………っ……。」
私の誕生日は、ハルが焼いてくれたケーキをハルとロイと三人で食べる日。
ハルが贈ってくれるプレゼントと、ロイからの手紙。
家族みんなが揃って祝ってもらったことはきっとあるのだろうが、あまりに幼く私の記憶にはない。
血の繋がりのない人に祝ってもらったことも、初めてだった。
「う、れしいよぉ………っ………!」
私はみっともなく、うわぁんと声を上げて泣いた。
リンファはとても驚いた表情のあと、眉をハノ字にして大きく笑って私を抱きしめてくれた。
リンファとサッシュさんが、目を合わせてハイタッチするのが見えた。
二人が、考えてくれたんだ。