第24章 誕生日
「え??え???なんで……??」
「19歳の誕生日だろ?今日。」
「……そういえば、そうだ………。」
「ナナさん!主役にはこれ!!」
エミリーが、野の花を編んだ花かんむりを被せてくれた。
「綺麗です!!」
「女神……!」
「おぉっ!!ナナ、盛大にやってるじゃないか!!」
扉のむこうから、ハンジさんとモブリットさんが顔を出した。続いて、ミケさんやナナバさん、ゲルガーさんまで。
私とリンファの自室が、こんなに人で溢れたことはない。
私はまだ情報処理が追いつかず、呆然としていた。
「こちらにどうぞ、お姫様?」
サッシュさんが手を差し伸べる。
その手を取ると、部屋の奥までエスコートされた。
「おい、ワイン開けようぜ!!」
「ちょ、ゲルガーさん!それナナさんのためのワイン!」
「女神だ……。」
「ナナの祝いの席か。俺も飲もう。」
「ナナ、可愛いじゃないか!」
「おめでとうナナ!!」
ワインやジュースがみんなにいきわたり、私にも小さなグラスが渡される。深い赤のワインが煌めいた。
「おいリンファ。乾杯の音頭はお前がとれよ!ナナの親友として!」
「任せとけ。」
リンファがグラスを高くあげる。
『ナナ、誕生日おめでとう!!!!!』
グラスの鳴る音に重なって、それぞれからお祝いの言葉がかけられた。