第23章 扇揺 ※
「あぁ、リヴァイ兵士長。」
「………なんだ。」
ダン・シャルロス。こいつも腕がいい。立体機動はそれなりだが、体格にも恵まれていて体術に関しては群を抜いている。
だが、妙に愛想のいいところが気に食わねぇ。なにかひっかかる、そんな底の読めない奴だ。
「………今度、相手してくださいよ。人類最強にぜひ手合わせ願いたい。」
「あぁ………そうだな。……壁外からお前が生きて帰ったら、考えてやるよ。」
「………はは、そうですか。じゃ、せいぜい頑張るとしますよ。」
ダンが見せた薄っぺらい笑みに警戒を強める。
本心を見せない奴ほど俺は信用しない。
あの七三金髪野郎がいい例だ。