第22章 朋友
「うん……なんていうか、まあ、異例の入団だったから色々言われることもあっただろうし、兵士長という肩書に着いたからってことももちろんあるかもだけど。入団してきたときは、恐ろしく強いけど、誰にも心を許さないっていうか………。」
「へぇ………。」
「壁外調査から帰ってからは特に、酷いもんだったよ。本当に何かひとつでも気に障ったことを言ったら、殺されるんじゃないかって思うくらい。手を出すのも早いし、何人も半殺しにしてるところを見た記憶がある。正直、なんでこんな奴を入団させたんだって思ったよ。」
リンファは思い返しながら、ふふっと笑う。
「明らかに壁を作ってたし、兵の指導なんて口を出したこともなかった。初めて立体機動のことを褒められたり、指導を受けた時はびっくりしたよ。」
「そうなんだ……。」
「でもナナがリヴァイ兵士長の大事な人だってわかって、すごく納得した。」
「??」
リンファはその美しい微笑みを私に向けて、頭を撫でてくれた。思わず、ドキッとしてしまう。
「―――――人のことばっかりで、自分の事は無頓着で、一生懸命で、頑固で、危なっかしくて。どうしても目で追っちゃうんだ、あんたのこと。きっとリヴァイ兵士長の中に、他人へ興味を持たせるきっかけを作ったのがナナなんだろうなって、思う。」
「……実はね、私が10歳の時に出会ってるの。リヴァイ兵士長と……。」
「それは初耳だ。」
「うん。もともと地下街の友人のところに私が通ってて、そこで初めて会ったの。分かりにくい優しさと、不器用さを持ってる人だなぁって、思ってた。……その頃からずっと助けてもらって、支えてもらって、教えてもらってばっかりで――――――リヴァイさんは私のヒーローなの。」
「…………本当にそうかな?」
「え?」