第22章 朋友
「あんたが私の中の昏い過去を溶かしてくれたように、―――――きっとリヴァイ兵士長のことを、あんたが救ってるんだよ。」
「………私が、リヴァイさんを、救ってる?」
「きっとそう思う。それ以外にもあんたが気付いていないだけで、たくさんの人を救ってるんだと思う。あんたは―――――――すごい奴だね。」
リンファの言葉は、誕生日プレゼントを贈った時のリヴァイさんの言葉の輪郭をさらに濃くしてくれる。
「……そんな風に思って……いいのかな?」
「いいんだよ。」
リンファは吹きだすように笑った。
家族じゃなくても、血が繋がっていなくても。リヴァイさんやハルのように、長く繋がっていたわけじゃなくても。こんな風に心から大切に思う人ができるんだ。大切な人が増えれば増えるほど、失うことが怖いとも思う。
だけど、失わないために今自分にできること、兵団にとって最善を尽くす。そう強く思えた。