第22章 朋友
「……遅くなりましたが、お誕生日プレゼントです。」
「今日、これを買いに行ってたのか?」
「はい。“友達”と初めて外出して、初めて外食しました。とっても楽しかったです。」
「………開けて、いいか。」
「はい。」
ドキドキする。気に入らなければどうしよう、と思いつつ、開かれていく包を見守る。
リヴァイさんの手に、真っ白なシルクのクラバットが握られた。
「……あまり、凝った趣向でなくてすみません。でも、あの………私の贈ったものを、いつも身に着けて……くれたらいいなって思ったんです。ただの……私のわがままです。」
リヴァイさんの表情が見えなくて心配になり、横から顔を覗き込む。リヴァイさんはその輪郭を指先でとらえて、唇を重ねてくる。
「―――――嬉しい。ありがとうな。」
「…………!」
私は目を丸くしてリヴァイさんを見つめる。
「なんだ。」
「『悪くない』じゃないんですか?」
「あ?」
「いえ、リヴァイさんから『嬉しい』って、『ありがとう』って……初めて聞いたので………。」
「あぁ………お前が……よく言うからな、うつっちまった。」
「………己惚れてしまいます。」
「あ?」
「………私に、リヴァイさんを変えてしまうほどの力があるって。」
「………気付くのが遅ぇし、己惚れでもなく事実だ。」
そしてまた、甘い口づけを交わした。