第22章 朋友
「―――――ナナです。お手伝いに来ました。」
「………あぁ。」
調整日だと言うのに、執務室の机には山のような資料が積まれていた。せめてもの気分転換になればと、今日買い足した新しい茶葉で紅茶を淹れる。
机に置いた途端、敏感なリヴァイさんが反応した。
「……新しい茶葉か?」
「はい。」
カップを手に取り、口をつける。
リヴァイさんのカップの持ち方はすごく独特なのだが、私はその指にすら色気を感じる、その持ち方が好きだ。
「………悪くない。」
「……良かったです。」
それから私たちは黙々と仕事を続けた。私には大したことは出来ないけれど、ほんの少しでもリヴァイさんが安らげる時間を作りたかった。
「リヴァイさん、そろそろ食事にしないと、食堂終わっちゃいます。」
「………あぁ。ちょうどもうキリがいい。」
最後の資料にサインして、リヴァイさんは椅子にもたれかかってふうっと息を吐いた。
「お疲れさまでした。」
私は後ろに回って、肩をもむ。
「食事に行きますか?」
「あぁ。」
「……食堂から私はもう自室に戻るので……今のうちに渡したいものがあるんです。」
「……なんだ。」
私は座るリヴァイさんの後ろから彼を抱きしめるようにして、プレゼントの包を彼の膝に置いた。