第22章 朋友
食事を終えてから少しまた街をぶらぶらする。年頃の女の子らしく、雑貨や化粧品を二人で見ながら時間を過ごす。
ふと、リンファが深い赤の口紅に目を止めた。
「綺麗な、色………。」
「ほんとだ。」
「化粧って、どんなのだろ………。」
「……私もほとんどしたことないし、よくわかんないや。」
「綺麗に、なれるかな?」
「リンファがお化粧したら、もっともっと美人になっちゃうね。」
私の言葉にリンファは少し頬を赤らめたが、手にとった紅は結局置いてしまった。
「……いや、あたしには似合わない。ナナの方が似合う、きっと。」
そう言って先にお店を出て行こうとする。
「あ、もう少しだけ見てていい?」
「いいよ。外で待ってる。」
私たちは日が暮れる前に兵舎に戻った。
「リンファ、今日はありがとう!」
「いや、あたしも楽しかった。これからプレゼント渡すの?」
「うん、今日はすごくたくさんの仕事をしてるって言ってたから、手伝って……終わったら、渡そうかな。」
「そっか。――――――でも今日はちゃんと部屋に戻りなよ?」
「!!」
リンファは真っ赤になった私を見て、ヒヒっと悪戯な笑みをうかべた。