第22章 朋友
「これなら喜んでくれるかな……。」
「良かったじゃん!なぁ、腹減らない?昼飯食ってこうよ。」
「うん!」
「あ、いい店知ってるよ。」
私たちはリンファが案内してくれた、どこか懐かしい雰囲気の小さなお店に入った。
「ここはさ、酒も美味いけど、飯がどれも美味いんだ。パンも美味いよ。」
「へぇ、私、何にしようかな……。」
友達と外食なんて初めてで、些細な事でワクワクする。
食事を注文し、料理を待つ間に色んな話をした。
初めて聞くリンファの話は、何時間でも聴いていられそうなほどだ。友達が、こんなに自分に近しいものだとは想像もしていなかった。
「うわぁ美味しそう……!」
たくさんの野菜と鶏肉を煮込んだトマトのスープと、焼き立てのパンが運ばれてくる。リンファと二人して、目を輝かせて食べた。私は特にすごく幸せな顔をしていたに違いない。
おおよそ食べ終わって、また話に花を咲かせる。
「ここには、最近来たの?」
「……あぁ、あんたにこっぴどく振られたサッシュを慰めるのに、一緒に来た。」
「そ、そうなんだ。リンファとサッシュさんは、入団次期は1年違うのに仲がいいよね、羨ましい。」
「………同郷だからな。」
「………そうなの?」
「あぁ。」
「小さい頃から、よく遊んでた。まぁ………幼馴染みたいなもんかな。」
「へぇ……いいなぁ、私には幼馴染っていないから、憧れちゃうな。」