第22章 朋友
「あ、もう部屋に戻らないと。」
「………あぁ。」
「リヴァイさんは今日、ゆっくりできそうですか?」
「………いや、エルヴィンが次の奪還作戦の会議に行くまでにやらなきゃいけねぇことがクソ程あるからな。」
「……夕方から、お手伝いに来てもいいですか?」
「あぁ、助かる。」
私はベッドから降りて窓の外を眺めるリヴァイさんの背中に寄り添い、名残惜しくその大好きな匂いを吸い込む。
「じゃあ、また、あとで。」
「ああ。」
自室に戻った私は、リンファを起こさないようにそっと扉を開ける。
今日は、リンファと出かける約束をしていた。リヴァイさんのお誕生日プレゼントを選ぶのに、付き合ってくれると言うので、お言葉に甘えることにした。友達と出かけることが初めての私は、ウキウキしながら少ない私服の中から洋服を選んだ。
「ねぇナナ、何を買うか決めてるの?」
「ううん、全然……。こういう贈り物ってしたことなくて……。」
リンファと街を歩きながら、リヴァイさんの贈り物について考える。
「紅茶が好きなことぐらいしか、あたしは知らないからな……いい案も思いつかないな。」
「私も紅茶しか思いつかなくて。」
二人でう~んと首をかしげる。
「ナナが貰ってうれしかったものとか、ないの?」
「うーん………。あ!」
リンファがくれたヒントに、私は目を輝かした。