第22章 朋友
――――――温かい。そして、大好きな匂いがする。
リヴァイさんは石鹸の香りに少し荒々しさ足したような、そんな香りがする。
目を開けた先に、彼の姿はない。
目線を下にずらすと、私の腰をしっかりと抱いて、胸に顔を埋めて眠っている。
「………………I…… love…… you………。」
いつか伝えたいその言葉を小さく呟きながら、彼の前髪をサラリと撫でた。いつもリヴァイさんに抱きしめられるばかりだったが、クリスマスのあの日にこんな風に私が抱きしめて眠りについてから、このスタイルはリヴァイさんのお気に入りのようだ。
「………可愛い、って……言ったら、怒るかな………?」
思わず笑みを零しながら、いつもより幼く見える寝顔を眺める。彼の寝顔を眺めるのが、昔もこれからも私だけならいいのに―――――そんなちっぽけな願望を抱く。
ふと、リヴァイさんが目を開いた。
「………なに、見てんだ………。」
「………大好きな人の寝顔を見てるのは幸せなので、つい。」
「………ちっ……。」
「………ひぁっ?!?!」
胸にピリッと衝撃が走る。リヴァイさんが、シャツ越しに私の胸の先を噛んだ。
「なにするんですか………!」
「………なんとなくな。」
「………意味が、わかりません………!」
リヴァイさんがゆっくりと起き上がり、カーテンを開けて朝日を導き入れる。