第251章 〈After atory〉紲 ※
「―――――変化こそ、唯一の永遠………。」
「変化……?」
「この世に唯一、永遠があるとすれば……それは、変化し続けて形を変えて成り立っていくものなんだと、私はそう思うんです。」
「なんだそりゃ、やけに小難しい話だな。」
「ふふ、はい……これは……私が一生考え続ける、宿題です。」
「………曲者のあいつが考えそうなことだ。」
「あれ、わかるんですか?出題者が。」
「……当たり前だ。そんな面倒くせぇ問をわざわざお前に課す奴なんざ、一人しかいねぇだろ。」
俺が答えると、ナナはまた嬉しそうに笑う。
「――――だから、私はあなたに永遠の愛を誓うことができたんです。形は変わってしまっても、私はずっとあなたを愛し続ける。どこにいたって、いつまでも。変わることは怖いけれど……、全てがなくなるってことじゃないって、思うから……」
エルヴィンと結婚しなかったのに俺と結婚したのは……、エルヴィンの出したその宿題とやらが、ナナの中の何かを変えたからなのか。
だとしたらそれもいちいち腹立たしい。
本当にいつまでもいつまでもどれだけナナに影響を与えやがる、あいつは……。
だがどこかそれを懐かしんで、悪くねぇと思っている自分がいることは、ナナには黙っておこうと思う。
「――――リヴァイさん。」
「なんだ。」
「明日、エイルを迎えに行く前に……時計塔に、行きませんか。」
「――――ああ、いいな。」
「嬉しい………」
「眠いんだろうが。もう寝ろ。体力を削りすぎだ。」
「うん………、抱いてて、くれる……?」
「当たり前だ。放すかよ。」
ナナは俺の胸に頬ずりをして、長い睫毛をおろした。