第251章 〈After atory〉紲 ※
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何日目かの夕暮れ、仰向けに寝る俺の上にナナが甘えるように体を重ねてまどろんでいる。
「――――体、大丈夫か。」
「………心配になるくらい抱いたって自負はあるんですね?」
「ある。」
「……ですね、最高記録更新おめでとうございます。」
「……本当に何言ってんだお前。」
「ふふ。すてき……蜜月、に、相応しいじゃないですか……。甘美で背徳的で……この上なく、幸せ……。」
ナナは上半身を起こすこともできない様子で、怠惰に少しだけ顎を上げて俺の唇の端にキスをした。
「――――もう、ハネムーンも終わりですね。」
「ヤってしかいねぇな。まぁ……お前の望みだとは言え、少し反省はしてる。」
「プレゼントも、嬉しかったし……、一緒に……お掃除も庭仕事も料理も、して……、買い物に行きました。」
「うん?」
「ケーキも、美味しかったし……。なんの我慢もせずに私に欲をぶつけてくれるリヴァイさん、とっても可愛かった……。」
「…………。」
「――――怖い夢も、一度も……見なかった。」
ナナはふにゃ、と柔く笑って、俺の首筋に甘えるように顔を摺り寄せてくる。
愛おしい。
永遠に続けばいい。
ナナとエイルと――――ただ静かに暮らすこの時が。
そんな柄にもないことを想わず、口に出していた。
「――――終わりがあるから美しくて……大切に思えるんだと……理解できるが。」
ナナの左手をとり、番の証が光る指を絡める。
「……それでも永遠を願ってしまう。」
俺の言葉に驚いた表情を見せながら、ナナは優しく笑って言った。