第21章 耽溺
「んっ………ふ、あっ…………ぁ………………。」
「どうやったら、もっと……夢中になるか……って、聞いたな。教えてやろうか?」
唇を離すと、ナナは水から上がったばかりかのように空気を吸い込み、さらに呼吸を早くする。
「―――――――俺を欲しがれ。俺がお前を欲しているほどに、もっと……もっと強く。――――――早く堕ちてこい、ここまで――――――。」
「――――――私は、とっくに―――――――――。」
まだ足りねぇ。ナナにその言葉を言わせねぇように、再び唇を塞ぐ。
酒が回った上に酸素を取り上げられたからか、一度ビクッと身体を震わせて、ナナは眠った。
眠ったナナを抱き上げ、自室のベッドに運ぶ。
このまま鍵をかけて、ここでこいつを飼えたら。
誰の目にも触れさせず、どんな危険にも晒さず、その五感すべてが俺で満たされればいい。
そんなイカれた妄想を抑え込み、ナナを抱きしめたまま目を閉じた。