第251章 〈After atory〉紲 ※
「――――ふ……っ……可愛い、な……っ……ナナ………!」
リヴァイさんは一言呟いて、顔を見せろということか……ぐい、と私の体を表に返した。何かに誘われるように私に覆いかぶさって首筋に顔を埋めて、荒い息を整えようともせず興奮をそのまま行動に反映してくれる。
首筋にはいつかリヴァイさんがつけた傷がずっと残っていて……それを目にしたとたん、ぐ、と我慢するように私の首筋に舌を這わせた。
舐めやすいように顔を逆方向に背けると、より興奮した様子で私の胸を強く掴んで弄びながら私の耳の後ろ……髪と耳の隙間に顔を埋めて……どうやら匂いを、嗅いでいるみたいだ。
「………リ、ヴァイ……さん……?」
「―――――発情期か?お前。」
「?!し、知りません……っ、ん、ぁっ……!」
「俺を誘う匂いがプンプンしてんだよ……!」
―――――そういえば月経と排卵とも関係はある。
排卵期に近くなればより効果的に子孫を残せるように、女性の体はフェロモンを発する。
――――男性を引き寄せ、その精を求める。
人間だって所詮動物だと……知識としては知っていたけれど、こうして身をもってそれを証明することになるとは……。
―――――でも………だったら………
「っ………あぁ……情けねぇが……一回出す………ぞ、ナナ……!」
「………は、い………。出し、て………!」
―――――そのまま、私の――――――中に………
そう言いたくても、あまりの衝撃に言葉が遮られて……気付けば熱い精液が、胸やお腹……首や顔にまで……飛散していた。
無意識にほんの少し、唇を尖らせている自分がいた。
はぁっ、はぁっ、と汗を額から流しながら私を見下ろすリヴァイさんを呆けたままの頭で見上げる。
自分が一番激しく動いたはずなのに、まず彼は必ず私の体を拭いて、水を与えてくれる。優しく優しく、髪を撫でながら。
いつもそう。
口では物騒なことを言うけれど……、2人で生きていくと決意してから、私の意志を無視して酷い抱き方をしたことなんて一度もない。