第251章 〈After atory〉紲 ※
「~~~~ん、ぅ、う“……」
ナナの体の力が完全に抜けたのを見届けて、唇を解放した。
「―――――俺を甘く見るな、ナナ。」
「………?」
「お前がどれほどエルヴィンを想おうとも、恋しがろうとも……そんなことで傷つきゃしねぇし、お前を愛せなくなるなんてことはない。」
「――――………。」
「――――どんだけ我儘で強欲でふらふらするお前の面倒を見てきたと思ってる?……20年だぞ?」
俺の言葉にナナは目を丸くしていた。
「嫉妬はするがな。」
「―――――――リヴァイ、さん………。」
「なんだ。」
「―――― “交尾”、に……キスは、含まれ、ないのでは………?」
ナナは真っ赤な顔で息を弾ませながら、どこか嬉しそうに俺を見上げて言った。
俺の上げ足をとろうってか?
どこまでいっても突拍子なく、悪びれずにクソ生意気なことを言う女だ。
「――――――ほう?」
「…………ぁ、嘘です、ごめんなさい、今の発言は取り消して――――――」
「そうか、なら『ちゃんと』しようじゃねぇか。」
―――――いつも一言多いんだよ。
余計なことを言わなきゃ、優しく抱いてやれたかも……しれねぇのに。