第251章 〈After atory〉紲 ※
――――あぁ、だからだ。
とても甘いワインだと、思った。
ワインを好んで普段から飲んでやがったエルヴィンが好むような味ではない。あいつはもっと癖の強い……渋みやえぐみすら感じるほど複雑なワインを好んでいたはずだ。
純朴で甘い―――――あれはエルヴィンがナナを想って選んだワインだ。
酒屋であのワインを見つけた時のナナの頭の中を描ける。
『エルヴィンもこうして、店先で目に止めたのだろうか』
『こうやって手にとったのだろうか』
『―――――私を、想いながら』
そんなことを、考えていたに違いない。
無理に作ったような笑顔は………、俺の前でそんな話をすべきでないと、思っていたからか。
俺は体を起こし、ナナが気まずそうに顔を覆おうとした手を押さえつけて、感情に任せて自分の方へと引き寄せながらナナの子宮を揺さぶるように奥を責める。
「――――ひッ………あ“、ぁう……ッ!」
泣かないとでも決めていたのか、今にも泣きだしそうな顔で激しく揺さぶられるナナを見ると、なぜか胸が苦しくて……痛む。悲鳴に似たような喘ぎ声を止めたくて、またその体に覆いかぶさって唇を塞ぎ激しく貪った。
腰を突き入れながらナナを押さえつけて口内を食らうと、突き入る衝撃で時折歯がガチッと当たって、なんとも不格好すぎるキスをする。