第251章 〈After atory〉紲 ※
「―――――求愛…………行動、みたい……。」
「―――――あ?」
――――昨日、これを言うときっと不機嫌になるだろうと思って我慢した言葉をリヴァイさんに投げかけると、案の定リヴァイさんは怪訝に眉を顰めた。
「……オスが、メスの愛を求めて食べ物を供給する、給餌行動です。他にも――――……巣を作ったり、綺麗に……整えたり……」
「――――………。」
「………求愛してるの?」
にひ、とからかうような笑みを向けて偉そうに言ってみる。
リヴァイさんは目を細めて、一言『ほう』と呟いた。と思えば、やっぱり私の視線はいつもの通り……リヴァイさん越しの、天井が見える。
「間違いない。求愛してる。」
はっきりと言い切られ、企んだ私のほうが動揺を隠せなくなってしまう。
「っ……そんな、素直に……認めるのは……想定外……です……。」
「そしてお前は受け入れた。」
「…………!」
「食ってねぇとは言わせねぇぞ。満足行くディナーだったろう?ザクロも口移しで食ったよな?」
「それは……、はい……。あ、の……っ……!」
「――――求愛行動を受け入れた後は何があるのか知ってるか。」
「っえ、と……っ……!」
まずい、まずい、まずい。
完全にカウンターを食らった。
私はあわあわと焦っている上にお酒も入っていて、もう何が何だかよくわからなくなってしまっていた。