第251章 〈After atory〉紲 ※
「食わせてやる。ほら、ソファに来い。」
「はぁい。」
リヴァイさんに手を引かれて、場所を移す。
ソファに隣同士で座って、こてんとリヴァイさんの肩に頭を預ける。リヴァイさんがザクロの実を割って、数粒のかたまりを口に咥えて私の腰をぐい、と引き寄せた。
「――――ぇ、あ?……ん……。」
口移しでその果実を口内に受け取って、リヴァイさんは唇を放す。でも距離は全くそのまま、息がかかりそうな距離で私は小さくザクロの実を咀嚼した。
「おい、し……です。」
「そうか。」
「あ、あの……種、を……」
出したいから、と体を背けようとしても強引に肩を引き寄せられ、またがぶりと唇を塞がれる。
にゅるりと侵入してきた舌が口内をまさぐって、甘みもすっぱさもかき混ぜられて……口の中に残っていた種を、器用にさらっていった。
「……っん、は………っ……、なに、リヴァイ、さ………」
「まだ食うよな。」
「あ、待っ……もう―――――」
リヴァイさんは手早く種を吐き出してまた、ザクロの実を私に口移す。
――――リヴァイさんはいつもとっても急に……こうして私を翻弄してそういう空気に強引に持って行ってしまう。わずかに胸を手で押し返してみても、無駄な足掻きだった。
リヴァイさんが私の口に何かを運ぶ。
それがきっと本能なのだと思うと、おかしくて。
意地悪にリヴァイさんにその言葉を向けてみる。