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【進撃の巨人】片翼のきみと

第251章 〈After atory〉紲 ※




あの子は本当に私にかつてしたことを反省しているのだろうか……。顔が真っ赤になりつつ、箱を掴む手に呆れと怒りで力が入る。

ゴールドのリボンの隙間から覗いた一通の手紙を手にとり、複雑な気持ちでその封を開けて小さなため息交じりに手紙に目を落とした。なんとなくろくなことが書いてない気がしてしまって、私はそれを読み上げずに一読した。






“恥ずかしいけれど、姉さんが喜ぶ贈り物が僕にはよくわからなかった。だからちゃんと聞いたんだ。研究所の人達に。新婚には必要な演出で、刺激になると聞いたのでこれを。姉さんの幸せがずっと続くことを願ってる。誕生日おめでとう、姉さん。愛を込めて  ロイ”






「―――――ロイ……研究所の人たちも多分ちょっとずれてるよ……。もしくはからかわれてるよ……?」



「あ?結局なんだったんだこれは。」



「あっ……、いえ……なんでしょうね……!ロイにまた聞いてみます。ガーターなんとか、かもしれませんね……!」



「………ああ、そうだな。」





とにかくこんな恥ずかしいもの着れるわけがなくて、そもそも別にスタイルがいいわけでもない、むしろ貧相な体の私に似合うはずもなくて……はぁ、とため息をついてみるけれど、よくよく想像してみると……ロイが誰かに助言をもらったり相談をする、なんてことはこれまでにはほとんどなかった。――――エルヴィンくらい、だったと思う。

それを研究所の人たちに赤裸々に相談して考えて用意してくれたのなら……それは素敵なことで……。

きっと今も、私が喜ぶだろうかとそわそわしているに違いないと思えば、なんだか心が温かくなった。



ふふ、と笑みをこぼしながらぎゅっと箱を胸に抱いた私の横顔を、リヴァイさんはじっと見ていた。



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