第251章 〈After atory〉紲 ※
白い壁に白いドア。
ドアノブは少しくすんだ黄金色で、コロンと丸くて可愛らしい。
まるで秘密基地の鍵でも開けるようなワクワクした心地で鍵穴に鍵を入れ、リヴァイさんの目を見つめると、 “開けていい”と目配せをしてくれる。
ドキドキしながらガチャリと鍵を開けて扉を引くと、私たちを待っていたとでも言うように風が吹き込んで私たちを中へと誘う。扉を開けたすぐそこがリビングダイニングで、私たちの家と少し似たつくり。中も全て白を基調とした、つつましいけれど清潔感があって明るい内装に私は目を輝かせた。
「うわぁ……!」
「――――ちっ………。」
喜びの声を漏らす私とは対照的に舌打ちをするリヴァイさんの目線を辿ると、リビングのローテーブルの上に、白い部屋だから余計に映えるブルーの花弁が美しい小さな花がたくさん寄せられた花束と、艶のあるネイビーのリボンがかけられた小さな箱。そして豪勢なゴールドのリボンがかけられた真っ白な箱と、そのリボンに挟まれた一通の手紙。
「――――リヴァイさん、あれは……?」
「……俺じゃねぇ。ロイだろうな。お前の誕生日祝いだろう。」
「ロイが……?」
私は思わず花に誘われるようにそこへ駆け寄った。
鮮やかなブルーと花芯の濃い黄色のコントラストがとても綺麗な花を、私は知っていた。