第251章 〈After atory〉紲 ※
「俺は実は楽しみにしている。お前と2人きりで……誰も俺たちを知らない場所で、好きに過ごすことを。」
「――――旅行……?」
「――――まぁ、そうとも言うな。」
「今から?!本当に……?!」
思わずがばっと体を起こして、キスができそうなほど近くでリヴァイさんを問い詰める。
「近い。」
「えっ、本当……?!」
リヴァイさんの両の頬を掌でぎゅむ、と包んで、沸き上がる興奮を抑えられずに詰め寄る。
「そうだ。俺が荷物を持っていることになんの疑問も抱かなかったのがむしろ驚きだ。」
「――――本当だ。そういえば。」
「任務じゃねぇ旅行なんて初めてだからな。勝手がよく……わからねぇ。……お前が喜ぶようなことができるか保証はねぇが。」
淡々と話すリヴァイさんと対照的に、私はぴょんぴょんと跳ねたいほどの心地だ。体がそわそわと動くし、このどうにも処理できない嬉しい気持ちを抑えられなくて、リヴァイさんの胸にぐりぐりと頭を埋めて悶絶した。
「………だめ、死んじゃう……」
「簡単に死ぬな。なにがだめだ。」
「――――嬉しい……どうしよう、嬉しい……」
「そんなにか?」
「だって……旅行なんて生まれて初めてだもん……!あっ!」
「なんだ。」