第251章 〈After atory〉紲 ※
アイリスは、ロイとエミリーの間に生まれた子だ。
生まれてすぐに見舞いに行ってからもうすぐ一年が経とうとしている。エイルはアイリスを抱かせてもらった時、まるで宝物でも手に入れたかのように感激した様子で涙を浮かべて笑っていた。こんなに小さくても母性というものがもう備わっているのか……女ってのは、すげぇ生き物だと感心したもんだ。
エイルはどうしてもアイリスに会いに行きたいのだろう、その満点レベルの顔面で俺を上目遣いで見上げる。
おねだりの顔だ。
――――こいつは……自分の可愛さを自覚しつつあるな……怖ぇ女だ……。
「ねぇリヴァイさん、行ってもいい?」
「――――向こうがいいって言うならな。そして道中はもちろん一人じゃ行かせねぇぞ。送り届けるし迎えにいく。それが条件だ。」
「うん!!もちろん、わかった!!」
「――――で?いつだって?」
「えっとね……!」
エイルが意気揚々とカレンダーを指さす。
「――――……なるほど。悪くねぇ。」
「楽しみだなぁ~~!」
「あぁ、そうだな。」
「良かったねぇエイル。」
「うん!」
エイルがとても嬉しそうに笑う。
まぁ、たまには羽を伸ばしてくるのもいいだろう。クロエのところなら安心して預けられる。
――――それに……いい機会だ。
それならそうと、ちゃんと準備をしねぇとな。