第251章 〈After atory〉紲 ※
―――――――翌朝。
「――――ねぇ、リヴァイさん。」
「なんだエイル。」
「なんで昨日夜にお風呂入ったのに、夜中にまたお風呂入ってたの?」
エイルの純粋無垢な問に、思わず朝食で飲んでいた紅茶を吹いた。
「??どうしたの?変なとこ入った?」
がた、とエイルが椅子を跳ねのけて俺の方へ駆け寄って、背中をさすってくれる。なんとなく申し訳ないのと気まずさでエイルの目が見られねぇ。
「あのね、昨日の夜中におトイレ行きたくて起きたの。そしたら―――――」
「あっ、あっ、エイル?そうだ、おばあちゃんからお手紙来てたよ?!」
「えっ本当?!」
ナナの助け舟になんとか呼吸を整える。
クロエからの手紙というのはどうやら本当だったようで、プレゼントを開ける瞬間を待ちわびるガキの顔でエイルは封蝋をはがした。
「――――あ!おばあちゃんが次のお休みに、私だけで泊まりにおいでって!!」
「――――あ?」
なんだそりゃ、エイルだけでってどういうことだ?とナナに目を向けると、困ったようにふっと笑う。なんだ、クロエとナナの間で何かやりとりでもしていたのか。
「行く!!私一人で行く!!ねぇお母さんいいでしょう?!アイリスに会いに行きたいもの!私いーっぱいお世話してあげるの!!」
「うーん……私はいいんだけど、ロイ叔父さんとエミリー叔母さんにも聞いてみなくちゃね?アイリスはまだ赤ちゃんで手がかかるだろうから。それに……リヴァイさんにも聞いてごらん?」