第249章 〈After story〉証
「――――……リヴァイさん。」
「なんだ。」
「前からちょっと思ってましたが……『妻』って言葉、気に入ってますよね?」
ふふ、といたずらな目線で彼を見上げると、ものすごく眉間に皺を寄せて目を細めている。
――――図星の顔だ。
「あと、私が『あなた』って呼ぶのを気に入ってるのも知ってる。」
「…………。」
「――――可愛いなぁ、私の旦那様は。」
リヴァイさんの鼻先を指でつん、とつついて言うと、リヴァイさんの左目がギラリと光った気がした。
「予定変更だな。」
「えっ。」
リヴァイさんは軽々を私を抱き上げて玄関の扉を出て足早に外階段を上がる。
「……あの、掃除、途中なんですけど……?」
「――――煽ったお前が悪い。抱き潰す。」
「えっ、ちょ、まだ朝……っ……!」
「言ってんだろうが、俺は朝の方が?」
「~~~~~調子がいい………。」
「よくわかってんじゃねぇか。妻の体を満足させてやるのも夫の務めだろ。」
「やるって言ってるんだから、家事をさせてよぉ………!」
「ヤることヤってからな。」
ばたん、と巣箱の扉を性急に閉めたと同時に、片手で顎を押さえられて無理やり深いキスをされる。
「~~~~ん、っ……!」
舌を引き抜かれそうな獰猛なキスに応えて、気が付けば巣箱のベッドに背を沈められている。
唇を離したその瞬間、目の前に大好きなリヴァイさんがいて……なんて夢のように幸せなのだろうと、本当に夢じゃないんだろうかと、頬に触れてみる。