第249章 〈After story〉証
「………妻の……、役目っていうのが私にはよく、わからなくて……。なんとなく、家のこと全般をできることが立派な妻なのかなって、思うんです……。全然うまく、いかないけど……でも、一生懸命やりたくて……リヴァイさんに手伝ってもらうのも申し訳なくて……。」
「――――………。」
「リヴァイさんの、妻に……ちゃんと、なりたいんです……私……!」
妙に熱くなってしまって両手の拳をぎゅっと握って力説したのがおかしかったのか、リヴァイさんは目を開いてから、とても幼い顔で……笑った。
「――――奇遇だな、俺も夫という役目がよくわからねぇ。」
「え………。」
リヴァイさんがくっくっく、と笑いながら言う。
「……型にはめなくていいんじゃねぇか。別に……俺たちのやり方を見つけていけばいいだろ。周りからどう見えようと関係ねぇ。………それに………。」
「………それに……?」
リヴァイさんは、頭の後ろをぽり、と搔きながら照れたように顔を背けた。
「………家族、って感じがするだろ。」
「……………?」
「………お前が一人で掃除やら洗濯やら……一生懸命やってくれるのも嬉しいが、……一緒に、俺も……家族が生きていくために必要なことを、やりてぇんだ。」
「――――………。」
「それに俺はまぁまぁ出来る奴だぞ。自信もある。」
「――――………。」
「ナナ?どうか……したか?」
――――嬉しくて……思わずリヴァイさんに、抱きついてしまった。仕方ねぇな、という笑みをふっとこぼして、私の体を抱き締めて、頭を撫でてくれる。
「――――なんでこんなに私の心を奪うんですか?いい加減にしてくださいよ……。」
「あ?なんだよ、愛しい妻のためにできることはしたいと思うのは当然だろうが。」