第248章 〈After story〉腕 ※
「……いい声でよく鳴くな。」
「……だって、気持ち…い……。」
「――――あの日々に戻ってきたみてぇだ。」
「はい……。」
「何度も、お前を失うと思った。」
「……色々、ありました、ね……。」
「今こうしてお前を抱いている日々も――――永遠じゃねぇんだな。」
「は、――――――ん、あっ……!」
リヴァイさんは私の体温を、内部を確かめるように重く腰を打ち付けた。
彼は神様も永遠も信じなかったのに。
まるで願うように口にするようになったその言葉の数々は、私との時間を心から望んでくれているのだとわかる。
そして私も――――、望んでいいんだ。
だって……やっと手に入れた。恋焦がれたこの人を……なにも誰にも遠慮なく、私は彼の番だって言える世界を。愛し愛されている存在が煌めく月を背に、言葉にできないほどの愛しさをその行為でぶつけてくれる。
甘やかで幸せで……余すところなくそのすべてを受け入れたくて、朦朧とする意識の中で何度も彼の名前を呼んで手を伸ばした。
――――巣箱で過ごしていたあの頃から、月の輝く夜はリヴァイさんは絶対にカーテンを引かせてくれない。
まるで見せつけるように、月光の下で私を抱く。
――――目の端に月が飛び込んでくるたび、胸の奥が疼いてどうにも処理しきれないような複雑な感情が湧き起こってくる。
でもこの息苦しさはあなたを想い出すのに必要なものだから……苦しくても、それすら愛おしいの。
私があなたを振り払って来てしまったから――――泣いてない?
ねぇエルヴィン。