第248章 〈After story〉腕 ※
「………ナナ……、興奮してるな?」
「!!」
リヴァイさんが意地悪な声で低く囁いた。図星だ。
「な、なんで……?」
「嗅ぎすぎだ。もともとお前は俺の匂いが好きなのは知ってるが……なんだ、匂いで欲情すんのか?」
「………っし、ちゃう……。だって……リヴァイさん、いい匂いする……。」
「ふ………。」
笑われてしまった……、すごく恥ずかしい……。
けれどこんなのは序の口で、もっともっと辱めを受けることになるなんて想像もしていなかった。
「――――あぁ、だからか。」
「…………。」
「なぁナナ。」
「はい……。」
「――――俺の着てたシャツ、洗濯前に持ち出して何してる?」
「えっ。」
「俺のシャツだけ、時々洗うタイミングがずれてる。そりゃ気付くだろ。」
バレ、てる……!
顔から血の気が引いた。
とにかく何か言い訳を……、と考えても頭の中はパニック状態で、とてもそれっぽい言い訳が思いつかない。
汚れがひどかったから別洗いしてた?
――――ダメだ、リヴァイさんのシャツの汚れが酷い日なんてそもそもないし……あったとしても、自分で洗ってくれているもん。
「えっと、えっと……!それ、は……!」
ダメ、目が合わせられない。リヴァイさんの視線が刺さっているのがわかる。
どうしよう、どうしよう……やっぱり上手に嘘の一つもつけなくて。
追い込まれた私は変に開き直るような態度をとった。
「じ………」
「あ?じ?なんだ?」
「――――自慰……!」
「…………。」
目をぎゅっと瞑って、懺悔するごとく洗いざらい話した。
――――そう、馬鹿正直に。
どうせリヴァイさんには何一つ、隠せやしないんだもん……。