第248章 〈After story〉腕 ※
いつもは……ただのシャツとズボンで眠るけれど、ひらひらとしたネグリジェをあえて着てみた。
足が痛むのは事実だけれど……昔エルヴィンが言ってた……、 “着ているのに見える” ことのほうが、そそるんだって……、それを実験的にやってみようと思った。
ネグリジェの裾から少しだけ脚をのぞかせて……リヴァイさんが気になったら隠すという……これは狡い駆け引き、なのだろうか。
リヴァイさんはやはりすぐに気が付いてくれて、私の心配をしてくれた。
最初は……そのままの雰囲気でなし崩し的に求めてくれるかと思った……けれど、リヴァイさんはあくまで私の心配をしてくれていて……狡くて厭らしいことを考えていた自分が途端に恥ずかしくなって、いたたまれなくなった。
――――でも今、こうしてリヴァイさんは私の我儘を聞き出して、そして叶えてくれる。
―――――やっぱりあなたは最強で……。
どんどん、時間を共有すればするほど好きになってしまう。
リヴァイさんが私を抱き上げたまま強くぎゅっと、抱きしめてくれる。いつもよりずいぶん、リヴァイさんの呼吸が荒い。興奮してくれているとわかるそれがとても嬉しい。
そしてリヴァイさんの首筋に顔を埋めると、耳の後ろから私を誘うような匂いがする。
あぁ……すごい、これだけで厭らしい気分になってしまう。
リヴァイさんの石鹸の匂いも、紅茶の匂いも花の匂いも好きだけど……リヴァイさんのこのフェロモンの匂いが、一番好き。