第248章 〈After story〉腕 ※
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巣箱に鍵をかける、音が好き。
鍵に目線を落としていたリヴァイさんの目が、私を捉える瞬間が好き。
何かが背筋を駆け上がるような感触がして……強く心臓が鳴る。
リヴァイさんは出会った時から、眉を寄せているのが常だった。昏い色気とでも言おうか……それがたまらなく魅力的にも見えるけれど、一緒にいる時には随分と穏やかに眉を下げていることも多くなった。私はその柔らかな表情も大好きだ。
―――――でも、こうして私を求めてくれる時には、とてもとても眉間に皺を深く刻んでいる。
――――余裕がないという表情をしていて、そこまで深く激しく求められることが……嬉しい。望んでくれるだけ応えたい、と思っていたのだけど……どうやら私は自分で思ってたよりも強欲で、淫乱で……体が回復していくにつれ、リヴァイさんが求めてくれるよりも私が欲情するほうが早かった。
きっと体を気遣ってくれているのだろうとも思ったけれど、もしかして……もう飽きられてしまったのか、とか……リヴァイさんは『妻とは貞淑で清楚であるべき』と思っているのかもしれない、とか……良くないことも次々浮かんできてしまって、リヴァイさんにとてもではないけれど言えなかった。
抱かれたい、なんて……。
だから私は少し狡いことを考えた。