第246章 愛 <完結>
ハンジさんの話を柔らかな笑顔で話す彼が愛おしい。
そしてエイルの頭を撫でていた手を、リヴァイさんは何気なくエイルの目元にずらした。
「!!!!」
その手でエイルの大きな瞳を覆って……ずい、とその顔が近付いてきたと思ったら……その黒い瞳が至近距離で私を見つめた後に長い睫毛が下りて……唇が、甘く食まれた。
ついでに舌が唇を割って入って……ちゅく、とわざと水音を鳴らしてからその唇が離れる。
エイルが、いるのに……っ……
この人は本当に……困ってしまう。
――――でも、でも………どうしようもなく嬉しい私も………、どうか、している……。
そう思いながらとても娘に顔を見せられなくて、気まずく俯く。
「???なに???いまの。ねぇ、りばい……――――あ。」
「あ?」
「おかあさんになにかしたでしょ!!!」
「してねぇよ。」
「うそ!!!だってまっかっかじゃない!!」
「さぁな。」
「なにしたの?ねぇおしえてよ!!わたしもしたい!!」
「駄目だ、いかにお前が可愛くても俺に幼女趣味はねぇ。」
「ようじょ……?なに、だからなに??」
エイルが怒ってぽかぽかリヴァイさんを小さく叩きながらその足に纏わりつく。
それをたまらなく可愛いと、愛おしいと目を細めて見下ろしている彼のことが、愛しくて……愛しくて……たまらなく、幸せで………いつも、涙が零れそうになる。
私が事あるごとに泣くから、エイルをいつも心配させてしまう。涙が零れないように空を仰ぐ。
そこには自由の翼を羽ばたかせて番の鳥が飛んでいく。