第20章 始動
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――――――リヴァイさんの唇は、少し薄くて、柔らかくて、冷たい。私の唇から体温を分け合うように、少しずつ温かみが増す、それが嬉しい。
「――――うん、明日もがんばろう!」
ほんの少しのご褒美でこんなにも力が沸いて来る。私は本当に単純な人間だ。
「―――――嬉しそうだね。」
「えっ!」
自室に帰ると、ベッドに横たわったリンファが声をかけてくれた。
「――――兵士長にでも、会えたの?」
私は顔が赤くなる。
「………ほんとに、好きなんだね。」
「う、うん、そうみたい………。」
「ま、わかるよ。」
「え、リンファ好きな人いるの?!」
私は思わずリンファに向かって身を乗り出してしまう。リンファはとっても美人なのに、浮いた話ひとつなくて不思議に思っていたから。そんな話をしてくれるようになったことも、とても嬉しかった。
「や、やめよ、この話は。」
リンファは少し頬を赤らめて目を逸らした。
「かっ………。」
「か?」
「可愛いリンファ!!!!」
私はじゃれるようにリンファに抱きついた。
「じゃあ、話したくなったら教えて?それまで、待ってる。」
「あぁ……。」
リンファは頬を赤らめて少し俯いた。