第242章 慟哭
「いい。お前らはこれからのことがあるだろ。俺が探す。そんで……俺がなんとか、してやる。あの人のこと。任せろ。」
固い決意と共にその意思をみんなに告げると、3人は驚いたような顔で俺を見つめていた。
「ん?なんだよ。」
「え、いや……。」
「あ、はい……。」
その目線の意味を問うと、気まずそうに目を逸らしたアルミンとジャンの横で、素直にコニーがそれを口に出した。
「――――サッシュ、隊長……」
「……兄ちゃんが、どうかしたか?」
ふと出てきた兄ちゃんの名前。
なんだ、今このタイミングで何を思い出したんだ。
「――――に、そっくりで……嬉しくて……。」
「はい、僕も……同じでした。」
「……俺も。――――アーチさん。兵長のこと……よろしくお願いします。……悔しいけどやっぱり、兵長にとってサッシュ隊長とアーチさん……あなた達兄弟は特別なんだと、思うから。」
海風の吹くパラディ島の港で、ジャンが目を細めて言った。
――――俺は、確かに嬉しかった。
兄ちゃんと似てると、言われたこと。
兵長が俺達兄弟に何か少しでも特別な感情を抱いてくれていたこと。
迷惑もかけた。
殺しあった。
――――でも、それ以上に強く繋がる……死線を一緒に、超えてきたから。
あの人を一人にさせない。
――――あの人が間違うなら、俺が引っ張り出してやる。
叩き直してやる。
なぁそうだろ、兄ちゃん。リンファ。