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【進撃の巨人】片翼のきみと

第242章 慟哭







「―――てめぇらは一時的な帰国だろうが。こんなところで油売ってねぇで、家族だか大事な奴らに会いに行けよ。」





リヴァイがため息交じりに、心底面倒臭そうに言うと、ジャンが片眉を上げて言った。





「いや、そんなおおっぴらに街中歩けないことは知ってるでしょう、兵長。なんてったって俺たちは……島の連中を殺して、島の立場を危うくしようとした一派ですから。」



「そうっすよ、現政権もイェーガー派が仕切る軍が持つ力が強い、軍事政権になりつつある。この国にとって俺たちは歓迎すべき英雄ではないですしね。あ、まぁ家族には会えたんでご心配なく。こうして久しぶりにミカサとアーチさんと兵長に会えたことが嬉しいっす。」





コニーの母親もジャンの家族もヒストリア女王が保護していた。世界の動向を見極めながらも仲間を想う心を忘れない女王は、変わらず仲間からの厚い信頼と民衆からの支持を一手に集めている。



天と地の戦いと呼ばれたあの日から半年。



まだパラディ島とマーレやその他国々に何の隔たりもなく行き来できるような関係ではない。厳しい出国・入国の取り決めがなされていた。

あの戦いの後、パラディ島出身の調査兵団兵士は全員一度は故郷に帰還したが、これからの外交の一端を担う立場に就くことになったアルミン・ジャン・コニーはしばらくしてから本格的にマーレへ拠点を移した。

その3人が久しぶりにパラディ島へ帰還した中で、元上官に会いに来たのだ。



アルミンが紅茶のカップを大事そうに両手で包みながら、言い出しにくそうにある報告事項を口にしようと、小さく声を上げた。


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