第241章 結末②
涙を拭いながらみんなの元へ帰る。
リヴァイさんの手当をしなくちゃ、それに……オニャンコポンさんはどうなった……?うろうろと、たくさんの人だかりの中、仲間を探して歩いていると……急に、腕を後ろに引かれた。ぐん、とすごい力で引かれて、思わず少し身をこわばらせた。
「?!」
驚いて振り向いた先には、今までに見たことないくらいに幼い、まるで幽霊でも見たかのように驚いた表情で固まるアーチさんの姿があった。
「……アーチさん……!よく、無事――――」
びっくりした。
初めてアーチさんに、思い切り抱き締められていたから。
あぁこれは、アーチさんの中の……リンファと、サッシュさんだ。
「――――生きてて、よかった……!!」
「……はい、生きてました。」
「血まみれ、で……!死んだ、かと……思っ……!」
「サッシュさんとリンファに追い返されたんですよ。」
ふふふ、と茶化してみる。
アーチさんは少し冷静さを取り戻したのか、腕を解いてからハッとしたように顔を真っ赤にして慌てふためいた。
「やっ!!ちが、これは、あのっ勢いというか……!!」
アーチさんは全力で今の行動を否定するように両手をバタバタと動かして見せる。
「そんなに腕振ったら、痛くないです?あなたも結構あばら折れたり、いろいろ重傷だったんですよ?」
「……あ、そういえば……痛くない。」
「巨人化した時にやっぱりアーチさんも、外傷は修復したのでしょうか。とにかく怪我がないならよかったです。」
アーチさんの怪我もひどいものだったから……今それが癒えていると知って、ホッとした。……きっと飛行艇から送り出した時以上に、激しい戦闘でさらに傷を負っていたはずだから。アーチさんは気まずそうに目を泳がせてから、小さく呟いた。