第240章 結末
『――――こんなくだらねぇことを話しに来たわけじゃねぇだろう。要件はなんだ。』
腕を組んでエレンを睨むと、エレンはふ、と少し悲しそうに柔く笑った。
『ごめんなさい、って言いたくて。』
『――――あ?』
『レベリオ襲撃のことも、その後……イェーガー派なんて組織を作って勝手をしたことも、シガンシナ区で多くのこの島の人たちを殺すきっかけを作ってしまったことも。』
『謝って済む問題じゃねぇよ。』
『それは確かに。許されないことだと思います。――――でも、今この時間のことを思い出したその時にはきっと……わかってくれるって信じてます。』
『……記憶を都合よく消そうってか?とことん勝手だなお前は。』
『だって……じゃないと、優しい兵長は俺を殺すことを躊躇ってしまいそうだから。』
エレンはひひ、と悪戯に笑う。
その表情を……もう見ることもできなくなるのかと思うと……苦しくなる。
お前は全て背負って……大切な者を守るために、一人で逝くのか。
思わずエレンに手を伸ばした。
『なんですか……?』
『来い。』
『…………?』
エレンは戸惑った顔で俺が差し出した手を見つめて、自信なさげに俺の手に握手するように手を伸ばした。
その手をとって、ぐっと引き寄せる。
生意気に俺より上背がありやがるから……半ば無理やりエレンの頭を俺の肩に引き寄せる形で抱き寄せた。
『!!』