第240章 結末
――――次は、俺の番か?
ジャンを、コニーを……アーチを……ナナを、解放してやるために……殺すしか、ないのか。
体の節々が痛む。
かろうじて歩けるが……この体で、雷槍もなく刃のみで……どこまでやれる?
そう、考えたくもないすぐそこの未来に小さく絶望していた。そんな目の前にまた、靄がかかる。もしかしてまだあの “何か” がくたばってなかったのか?と思ったが……嫌な感じはしない。
むしろ……巨人の気配が、消えていく。
靄が一瞬途切れた先では……ジャンもコニーもアーチも、ガビも……ライナーやアニ、ファルコも……ピークも、人の姿に戻っていた。その他に巨人化させられたユミルの民も、すべて。
そして突然思い出した。
オディハに向かう船の中……ナナが俺の部屋を出てすぐ、ほんの一瞬の記憶が途切れている。
それは――――エレンが俺の頭の中にやってきていたんだ。
そして……その時のことは綺麗に記憶から消して行きやがった。まったく……面倒なことしかしねぇ奴だ。