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【進撃の巨人】片翼のきみと

第239章 不帰





尾骨の方で超大型……ベルトルトが、アニやミカサ、コニーを助けるように周りの巨人たちを薙ぎ払ったのが見えた。その他にも何体か、明らかに俺たちの動きを援護している個体が見えた。



「どういうこと?!巨人が助けてくれてるの?!」

「そのようだ。」



巨人用ライフルを構えつつ、興奮気味に話すガビと俺を乗せたファルコにしばらく尾骨の方で旋回をさせながら様子を見ていると、アルミンの救出に成功したようだ。足に多少の怪我を負ったようだが、アニの掌の上に確かにアルミンの姿があった。

ファルコもそれを見届けて、今度は頭骨の方へと向きを変えようとを旋回した。その時、探し続けていたそいつの声を聞いた。





「オーイ。」





まさか、と思いながら小さく聞こえた声の方を目を皿のようにしてそいつの姿を探す。いつもいつも呑気で危機感のねぇ声を発しやがるな。





「オーイ!!ここだー!!」





――――見つけた。

いや、見つけたんじゃない。



俺の目線の先には、信じがたいことに……エレンの背骨の突出した最先端に、上半身だけその姿を現したジークが、手を振りながら俺に向かって自ら居場所を告げていた。





「バカな……。」



「俺に会いたかっただろ?!リヴァイ?!俺は会いたくなかったけどな!!」



「……ジーク。」





心臓が跳ねるように、大きく鳴った。



エルヴィンの最後の笑顔が鮮明に蘇る。



ようやく。

ようやくその約束を果たせる。



――――なぁエルヴィン。ナナ。








ファルコがジークを目視し、そこへ近づいた。周りの戦鎚の巨人たちがその動きに気付き、武器を構えるよりも速く――――






俺はジークの元へと飛び、渾身の力で刃を一閃して首を、刎ねた。





青い空に放射線状に鮮血が散り、ジークの頭は……すぐに重力に引かれて地に落ちて……見えなくなった。





奴の首に刃が埋まるその瞬間の奴の顔を、俺は忘れられそうにない。

妙に清々しそうに空を眺めてから――――

首が飛ぶその瞬間まで、俺の目をじっと見ていた。





そして想像通り、ジークの首を刎ねたその瞬間。








地鳴らしは、止まった。







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