第20章 始動
「てめぇ………っ……!」
男性はその男の子に掴みかかったが、簡単に手を捻られて情けなく床に突っ伏した。
「ナナさん、続けてください。―――――俺は、死にたくはないんでね。」
「はい、助かります。あなたの名前を聞いても?」
「グンタ。宜しく。」
「ありがとう、グンタさん。」
そのまま講義を続けると、後ろの席の隅の方で堂々と居眠りしている明るい髪色の男性に気が付いた。私はその横にいた、100期生の女の子に起こすように指示をする。
「えっと………ぺトラさん。横の彼、起してもらえませんか。」
「えっ?!私?!」
「はい。ぺトラさんですよね?」
「は、はい………。」
ブラウンのストレートヘアの女の子は、恐る恐る居眠りする男性を揺り起こした。
すると、ビクッと身体を震わしてその彼はようやく顔をあげた。
「んあっ?!」
「!!あ、あの、寝たらまずいです……。」
ぺトラさんがおずおずと注意をしたが、彼はまるで悪びれる様子もなく頭をガシガシとかいて、また机に突っ伏した。
「ダメ、です………。」
「うーん……オルオさん、起こしてください。」
「えっ俺ですか……!」
ぺトラさんの横にいた同じ100期生の男の子に指示を出す。彼もまたビクビクしながら、居眠りをする彼に声をかけた。